4月になり、桜が綺麗な季節になりました。国立くぼむら歯科クリニックがある国立駅前も桜が満開になり非常に綺麗でした。待合室からは桜を上から見るようなロケーションです。来年の同じ季節が楽しみです。
皆さんの周りに「歯ぎしり」をする方はいらっしゃるでしょうか。
無意識のうちに行っている例も多い歯ぎしりですが、単なる癖では済まないような様々なトラブルを引き起こします。
今回は歯ぎしりについての基本的な情報と、歯ぎしりから歯を守るための方法を解説していきます。
歯ぎしりのイメージといえば、歯が擦り合わされて起こるギリギリと大きな音ですが、主に3つに分類されます。
多くの方が「歯ぎしり」と聞いて思い浮かべるのがこれです。上下の歯を擦り合わせるように動かすため、ギリギリという音がします。
上下の歯を擦り合わすグランディングとは異なり、まるで物を噛むときのように上下の歯を閉じて音を鳴らすため、カチカチという音がします。
歯を強く食いしばる状態です。
大きな音などはしませんが、歯には確実にダメージが与えられています。
歯ぎしりというと周囲に音を出して迷惑をかけることに注目が集まりがちですが、自分の歯の寿命を縮めてしまうことが一番の問題といえます。
就寝中に起きる歯ぎしりは噛む力をコントロールできず、意識がある状態よりもずっと大きな力で噛みしめていたり、あごが外れそうになるほど大きく左右に動かして擦り合わせていることもあります。歯ぎしりでは、奥歯で60kg以上の力で噛みしめていたとしても、本人の記憶にはあまり残っていないともいわれています。
歯に大きなダメージを与える危険な歯ぎしりをしていても、本人には自覚がない、ということも珍しくないのです。
歯ぎしりは自覚することが難しく、歯にかかるストレスが蓄積されるのが特徴です。
歯ぎしりが生み出すトラブルで最もよく見かけるのは、冷たい水がしみる知覚過敏。噛み合わせの調整だけで知覚過敏が解消することもあります。
白い樹脂やセラミックなどのかぶせものが欠けてしまうことがあります。意識のある状態であごを動かしたときは問題にならなくても、無意識の歯ぎしりではその範囲を超えてしまい、一部が破損してしまうケースもございます。
歯ぎしりで歯を揺らす行為は、歯を抜歯する際に左右に揺らしながら引っ張る動きによく似ています。このため、歯の形態によってはグラグラになったり、痛みが発生したりすることになります。
普段は歯を休ませるために使われる就寝中の時間に、歯ぎしりが起きてしまうことで歯が左右に揺らされ、歯周病が加速度的に進行することがあります。
犬歯より後ろの奥歯の部分によく見られます。歯の根元部分の歯ぐきに近いところがクサビ状にえぐれていることがあります。歯ぎしりや噛み合わせが原因で衝撃が蓄積されて微細なひびが入り、数年の時間をかけてえぐれるようにすり減っていきます。
歯ぎしりが長時間続くと、奥歯の噛み合わせ部分のエナメル質が削れてしまいます。さらに進行すると、神経が飛び出して激しい痛みとなることもあります。
歯の治療のあと、つめ物などが強くぶつかりすぎるために発生する一時的な歯ぎしりは調整すれば改善します。しかし、残念なことに一般的な歯ぎしりを完全にやめさせることは困難といわれています。そのため、歯ぎしりをしても歯が耐えられる範囲内のストレスになるよう対策をする必要があります。
軽度であれば、歯の負担となる部分を削って調整することができます。重度であれば、就寝中に歯ぎしりをしても歯がダメージを受けないようにするプレートを作るなど対策をします。ただし、歯並びとあごの動きは年齢とともに少しずつ変化していくため、対処法として一番確実な方法となるのは、歯の定期検診などで調整を繰り返していくことなのです。
2015年4月7日 カテゴリ:歯ぎしり and tagged 歯ぎしり, 歯ぎしりのトラブル, 歯ぎしりへの対処法, 音のしない歯ぎしり