ブラキシズム・タイプ別特徴

ブラキシズム・タイプ別特徴

歯ぎしり型(グラインディングタイプ)

歯の全体を横にギリギリとこすりあわせるタイプです。その運動範囲は広く、そのために全体がすり減っていきます。夜間寝ている間にすることがほとんどです。

異常な咬耗

人の歯は年齢を重ねるにつれ、すり減ります。しかし歯ぎしりをしている年月が長いほど、また強い力で歯ぎしりするほど、歯のすり減り方は極度に進行します。歯の長さが短くなっていくのが特徴です。

ブラキシズムがある人の特徴

歯がすり減って奥歯の咬みあわせの面が平らになり、進行するとエナメル質が削れ、中の象牙質の黄色が見えてきます。

正面から見た象:前歯の先端がすり減って、まっすぐになってしまっています。

歯がすり減ることによって、歯の長さが短くなっています。

歯の付け根のくぼみ

ブラキシズムによって歯に力が加わると、歯の根元に応力が集中して、くぼんだように資質がなくなっています。その部分は冷たいものにしみたりしやすく(知覚過敏)、また強い歯摩圧が加わるとさらにすり減っていきます。

同じような年齢でブラキシズムがない人の歯の特徴

歯のすり減りや、歯肉の膨隆、骨隆起などは見あたりません。

咬みしめ型(クレンチングタイプ)

無意識のうちに咬みしめてしまうタイプで、日中、夜間にかかわらず起きます。咬みしめるだけでは音は鳴りませんが、わずかに横に動かすこともあり、その場合は音がすることもあります。

骨隆起

咬みしめをよくする人の多くに歯ぐきの隆起が見られます。下顎の裏側や上顎の中央に出る人が多いようです。その名のとおり骨が隆起したもので、病気ではありません。

外側にできた骨隆起。 上あごの内側にできた口蓋隆起

頬・舌粘膜の圧痕

いつも上下の歯を咬みあわせているので、頬の内側や舌の横に白っぽい歯型の跡がついています。

奥の歯がとても短くなっている

咬みしめをする人によく見られるのが、奥歯の歯の高さが短くなっていることです。

歯の破折

咬みしめ型の人は、歯に圧力が集中したときに破折を起こしやすくなります。

歯の動揺

写真のように指をあてて、横にギリギリやってみましょう。動揺している歯があれば、指で動きを感じることができます。
歯を支える骨が減ると、歯ぎしりによって歯がゆさぶられるようになります。

咀嚼筋(咬むときに働く筋肉)のこわばり

これらの筋肉にこわばりや痛みを生じます。
指で押さえると痛みを感じる場合があります。

肩こりや頭痛

咬みしめ型の人は高頻度で肩こりや頭痛を併発しています。

きしませ型(ナッシングタイプ)

ナッシングタイプは全体ではなく、ある一定の場所だけで、キリキリこすりあわせるタイプです。犬歯やその1~2本後ろの歯の先端だけがすり減っていることが多いようです。こすりあわせの場合、日中にはみられず夜間がほとんどですが、きしませるので、大きな音が鳴る場合が多いようです。

ファセット

普段、咬むことがないような場所がすり減っていて、歯をずらすと上下がぴったりとあわさる部分があります。このようなすり減りをファセットと言います。

この位置で歯ぎしりをするために、歯の先端がすり減って、上下の歯がぴったりかさなります。

歯ぎしりを現時点でもしている人は、ファセットがピカピカに光っています。

1~2か所の歯だけが極度にすり減っている

一定の場所だけをこするので、そこの場所だけがすり減ってしまったり、歯の先端が欠けたりします。

音がするかどうか、きしませてみる

歯をいろいろな場所できしませてみてください。
歯が鳴れば、そこでブラキシズムをしているかもしれません。

混合型(コンプレックスタイプ)

ブラキシズムがある人には3つのタイプのうち、どれか1つだけの場合(単独型)と、2つ以上のパターンを同時に、または違う時間にしてしまう場合(混合型)があります。混合型の場合は、お口に現れる変化がさまざまです。

混合型の例

・日中は咬みしめ型で、夜はきしませ型のブラキシズムがある人。
・寝ているときに常に咬みしめていて、ときどきギリギリ歯ぎしりする人など。

あなたはどうでしたか?

いままで気にしていなかった「口の中の変化」に気づかれたでしょうか?
あてはまる項目がありましたか?あなたや、ご家族のなかにも、歯ぎしりや咬みしめをしている方がいらっしゃるかもしれませんね。

合致する項目があっても、必ずしもそのブラキシズムのタイプを確定できるわけではありません。また、記載されていない変化もまだほかにもあると思われます。

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